エレファンテック公式サイトより。エレファンテックはプリンテッド・エレクトロニクス技術で世界をリードするスタートアップです。
インクジェットプリンタで銀ナノインクを印刷し、その上から無電解銅めっきを形成する独自技術でフレキシブル基板を製造しています。
アートワーク設計を含む場合
- 回路図データ
- 外形データ
アートワーク設計を含まない場合
基板アートワークデータ(拡張ガーバー RS-274Xが標準のファイル形式)
- パターン
- レジスト
- シンボル
- 外形線
- 補強板
- 補強板指示(補強板IDと貼り付け位置が分かるもの)
部品実装を含む場合
- 部品表(部品調達代行の有無にかかわらず)
- 実装指示
マイクロマウス界隈で主流のEagleとKicadに関してはガーバーファイルの出力方法が公式サイトにまとめてあります。ありがたい。
他のCADを触ったことないですが、今後情報を追加していく予定らしいです。
たぶん基本的には必要な情報をレイヤー別に分けてガーバー出力すればよいのではないかと思いますが。
さて、発注するために必要な項目について、振り返ってみましょう。
1. 作れる基板の仕様確認 【済】
2. 回路設計 【済】
3. 発注データ出力 【済】
4. 発注
3番まで修了しました。
次はいよいよ発注!
と行く前に一回落ち着いてデータを確認しましょう。
ソリッド基板(よく使う固い基板)と違いフレキシブル基板はなかなかのお値段するので確認が大事です。
もう一度、先述のフレキシブル基板にチャレンジシリーズとかを見直すことをお勧めします。
参考までに私の経験から注意しておくことを書いておきます。
これさえチェックすればいいというものではないから必ず自分で確認するんだぞ!!!!
注意点
1. 部品実装部、コネクタ部には補強版を付ける(付けないと曲がって部品が取れるらしい)
2. コネクタ部の端子間にはレジストを塗らない(塗ると寸法精度と厚くなりコネクター装着が厳3. しい)
4. レジストの開口部からシンボル0.5mm開ける
5. はんだ付けするパッドやリード部はレジストを開口する(開口しないとはんだ付けできない)
6. レジストの開口部はわざと狭くしてパッドの浮きを防ぐ
エレファンテック:フレキシブル基板 P-Flex™️ 設計のコツ「レジスト・シンボル・外形編」より
特に6番、ヤバいです。
驚くほど簡単に剥げていきます。
ちょっとはんだ付けに手間取っているとパッドがなくなってます。
皆さんは気を付けましょうね。
中央のQFNのパッドの白くなってる部分は全部取れました。笑える。
ちなみに、6番のリンク先には、今回紹介していないフレキシブル基板が切れないための工夫とかも書いてあるので是非一読ください。
最終確認も終わり、いよいよ発注です!
エレファンテック、発注の仕方はわかりづらいです。
他社みたいにポチポチ情報を埋めていけば自然と発注できるみたいなページは存在しないみたいです。見つけられてないだけかも。
前回発注時は問い合わせフォームから
質問→見積もり→発注
と行いました。
ちなみに最初の返答はこんな感じでした。
注意:2018年8月時の情報です。
>1. P-Flex PI/PET は現在個人で注文可能でしょうか。 ⇒1枚からでもご注文可能です。(1個あたりの価格は割高にはなりますが)>2. 注文できるのであればPIとPETの値段の差は如何ほどでしょうか。⇒PETはデータ手直し無ければ、15000円~となります。オプション追加は別途料金・日程が加算されていきます。 PIは30000円~となります。こちらもデータ手直し無の場合です。同様にオプションで上記と同様価格が加算となります。
ここからやり取りを繰り返して最終的に発注までいった感じです。
この際、担当の方が非常に丁寧で、データのミス等を指摘くださいました。
この場を借りて感謝申し上げます。そして、ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
参考までに発注見積もりを書いておきます。
主注文:
P-Flex™PET50μm(8x76mm)
オプション:
補強板(3枚以下)
⾦メッキ+ニッケルメッキ
コネクタ部特殊仕様端⼦部精度処理(±0.07mm)
枚数:
10枚
値段:
40000円+税
注意:2018年8月時の情報です。
余談
この記事書くためにサイトに確認しに行ったらワンストップサービス最低100枚からになってるけど、問い合わせればきっと10枚とかでも大丈夫だよね…? うん。きっとだいじょうぶだいじょうぶ。
ダメだったらこの記事が誰向けなのかよくわからなくなってしまう。
発注が無事完了すると、着工開始直前にメールが届くそうです。
私の時は忙しい時期だったからか不具合でメールが遅れましたが、本来ならこのメールで発送予定とかが知らされるものと思います。
データ受領から発送まで約2週間くらいでした。
基板は、紙で挟まれた状態で届きます。写真残し忘れました…。
紙 基板 紙 基板 紙 ・・・ 紙 基板 紙
みたいな感じです。
私が注文した材質はPET(リフロー耐熱が200℃)でしたが、基板が溶けるため普通のはんだが使えないということで、低温はんだもついてきました。ありがたい…!
実装に当たっては、白光のFX600の最低温モードで実装しましたが、基板がみるみる溶けていくということもなく、問題はなさそうでした。
フレキシブル基板というものに初めて挑戦したのでブログを書いてみました。
ぐにゅぐにゅ曲げられる基板というのは面白く、アイデア次第で色々新コンセプト打ち立てられそうです。
ただし、やっぱり安くない買い物なので設計ミスには気をつけましょう。
私は、先述のパッドが剥げる問題で基板ダメにしたので近いうちに再発注します。
明日は、アブノーマルさんの「お酒っておいしよね2018」です。
個人的にはまったく共感できないんですが、もしかしたら明日の記事でお酒の魅力に気づくのかもしれません。楽しみにしてます。わくわく。
はい僕です、ごめんなさい。猛省します。
でもでも!
ドラマチックな因縁の対決を演出したので、大目に見てください!
……えっ、むり?
ここから言い訳タイム
今回のコンセプトとか何を思って作ったとか勝手にグダグダ話します。
まずやらかした迷路。
(7,7)(7,8)(8,7)(8,8)の中央4マスゴール
で、なぜフレッシュマンに優しいとか言っていたのか
単純な歩数最短を走る足立法ならこの経路を通ると想定していました。
このルートなら、壁も多く、階段の連続もなく、袋小路で尻当てして姿勢も直せるはずだったんです。
実際に多くのフレッシュマンたちが通ったルート
こんなスラロームの連続、そりゃあこけますよね…。
なぜ、こんな悲劇が起こってしまったのか
実は、というかよく見てもらえばわかるんですが、想定のルートと実際に通ったルートが食い違う分岐点って歩数的にはどっちに行っても同じなんですね。
僕のアルゴリズムでは、同歩数の場合には直線になる方向を優先することになってるので真っすぐ行きます。
シンプルな足立法では、東西南北の優先順位(IFの順番とか)に従って決まりますね。
もし東より北の優先順位が高いと??
おめでとうございます、見事スラローム連続ルート突入です!!!!
どうするべきだったか
歩数が同数というわかりやすい分岐は両方検証しておくべきでした。
というか、単純にもっと壁を増やしておけば良かったですね。。。
あと段差に思いをはせる必要もありました。
ごめんね、段差先輩。もうMiceからは卒業したものだと思ってたよ。
コンセプト(最短ルートと最速ルート)
最後に、コンセプトというか、みんなにやってほしかったことを話して言い訳は終わりにします。
緑のルートが単純に歩数最短のルートのはずです。
これは、最初の方に、俗に言う桂馬飛びが多く、更には最後に180度×2があり、あまり速度が出ないはずです。
一方、優勝者であるnocheさんが通ったのが青い経路です。
歩数的には緑より長いんですが、直線が多く速度が出しやすくなっています。
狙ってかわかりませんが、nocheさんは重ね探索せず迷路の左側を見なかったことで緑の経路を避けていました。
今回やりたかったことっていうのは、まさにコレで、歩数的に不利だけれども、走行時間は短い経路を探しに行けますか? ということを考えてほしかったです。流石優勝者。
もちろん、エキスパートの皆さんはそんなことは百も承知だとは思いますが、まだそこまでやってない人はこの機会にぜひ考えてみてはいかがでしょうか。
って大会で言いたかったなぁ
ちなみに、僕が想定した最速ルートは別にあります。
もちろん走行パラメータに依りますが。
mazeにも挙げておきましたので、良かったら検討してみてください(ばればれな気もしますが)。
あとはゴールの斜め突っ切りも観たかった。
最後に
Miceプチ大会運営お疲れ様です。
参加した皆さまありがとうございました。
クラシックでこけた方は、どうぞ気を落とさず、クソ迷路だと思って忘れてください。
そして、nocheさん、赤子さん、最短感想おめでとうございます。
ありがとうございます、あなた方のおかげでレジェンドクソ野郎にならずに済みました。